眞尋さんのモーニングルーティン?

眞尋さんのモーニングルーティン?


「ん……」

温かな日差しに顔を包まれ目を覚ます

彼女にとって3日ぶりの朝だ

「んん…んーーー……」

体を伸ばし全身で心地良い朝を全身で味わう

しかし体の疲れは完全にはとれていなかった

目覚まし時計はセットされておらず、彼女はいつも朝日で目覚める そのせいか針は10時ぴったりを指していた

(また仕事着のまま寝てしまったな…)

パジャマは未だタンスの中でぐっすりと眠っている 実に3週間の寝坊だ 彼女からしてみれば羨ましい限りだろう

慣れた仕草でメガネを掴み洗面所に向かう

机の上にあったスリープモードのノートパソコンと積まれた書類はあえて無視した

うがいをし、手で受け止めた水を顔に打ち付け、鏡に映ったびしょ濡れの顔を見る

(あ…ここ隈できてるな…徹夜やめないと…)

願ったところで叶わない望みを抱きながら台所に移動し、食パンをトースターにかける

トースターの中で電磁攻めが行われている間に冷蔵庫を物色した

(バターと…ケチャップ切れかけてるな…あっこのジャム賞味期限そろそろか…?貰い物だよな、これ 今日で食べ切れるだろうか…?)

とりあえず今日トーストに乗せるものは決まった様だ

(予熱があるうちにバターを塗って…ジャムは…全部乗せれるだろう)

そんなこんなしていてできたのは、じゅわぁっとバターがトーストに染み込んでいる様子なんて見えないほどにジャムで覆われたトーストであった

サクッ、どろっ

(やっぱり甘い…でもまぁ全然食べれるな)

食べ終わって皿を片付け再び洗面所に戻る

歯ブラシに歯磨き粉をつけ、口に運ぶ、ぽけーっとしながら鏡の中の自分と見つめ合いながら歯ブラシを動かしていた

(………もうちょっとなにか食べたいな…)

と、いうことでブランチを探しに散歩することにした 基本10時起きの彼女にはよくあることで、辛ラーメンで済ませてしまうよりかはよっぽど良かった

クローゼットから服を選別する

(さすがにこんなシワシワのスーツじゃあなぁ…でもスーツからスーツに着替えるのも…)

ということで彼女が選び抜いたコーデはいつ買ったかわからないパーカーとズボンという普通にカジュアルな格好だった

軽いメイクだけして外に出る 気温はほんのり高かったが風が強い ほんの少し肌寒かった

少し小走りで向かい、パン屋に到着する 今日は最近できたパン屋に行ってみていた

(なにを選ぼうか…開店してすぐだからかパンから湯気が立っている…)

彼女が初めに選んだのは入ってすぐに見えた『当店人気ナンバーワン!』といった札が立てられた塩パンであった

次にホテル食パンを掴み、流れる様に乗せる

(あとは…)

カレーの匂いに誘われて彼女は見つけた

黄金色の衣、食べやすそうなフォルム、そしてぴょこっと出てくる蝿頭

(げっ……)

即座に掴んで床に叩きつける 蝿頭は即死した

(びっくりした…あんなとこにいるか?普通?)

カレーパンの最前列の蝿頭がいなかった方を取ってレジに向かう

現金の小銭ばかり出したら店員さんにちょっと悔しそうなな目をされた なんなんだよ

カレーパンは温かいうちに食べたくて店から出てすぐに齧りついた 噛んだ瞬間パンの装甲が崩れドロッとしたカレーが出てくる

(…!)

絶品だった しかし思ったより熱く口をはふはふさせカレーパンの齧った部分を上に向ける その後自分の仕草が他人からどんな風に見られた考えてしまい少しの恥が彼女を襲った

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家に帰り着いてホテル食パンを台所の収納に入れる 塩パンは結局カレーパンの後に食べてしまった

「ふぅ………」

家を出ていく前には一切認識しなかった書類に目をつける 心底辞めたそうな彼女だったがその書類を読んだ瞬間…

『〇〇〜〇〇日の四級術師死亡数____』

…彼女の心地良い朝はもう終わってしまった

しかし彼女はやるべきことがある

彼女もまた術師として生きているのだ

彼女は今日もまた弔いをする

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